自分の得意技を生かした「起業ママ」

また子どもが複数いるなら、子どもの向き不向きによって教育投資に差をつける必要があるかもしれません。私がこれまで子どもを指導してきた経験からいえば、中学受験に向く子とそうでない子がいます。中学受験に向く子は、能力面では「精神年齢が同世代の子の中で比較的高い」または「文章の意味をしっかり理解できる」、生活習慣では「ゲームにハマりすぎていない」または「日常、継続的に勉強する習慣がある」、メンタル面では「目標校がはっきりしている」または「個性が強い」といった特徴があります。

では、こうした特徴や性向に当てはまらない子どもは“ダメな子”かといえばそうではありません。小学校の時点では勉学が振るわなくても、公立の中高を通してメキメキと頭角を現し、有名大学に進むことだって十分に考えられます。つまり、能力の早咲き、遅咲きがあることを、親がどう見守るかが重要なのです。

一方、高校から「図らずも私立」となるケースでは、とにかくお金を工面するより方法はありません。その方法はといえば、収入を増やす、支出を減らす、お金を借りるが三本柱となるでしょう。

収入を増やすには、一般的には専業主婦ならパートに出る方法がありますが、最近は自分の得意技を生かして起業する、「起業ママ」というケースもあります。また、子どもが大学生になったら、学業に支障が出ない範囲でアルバイトをしてもらい学費の一部として充当する形で資金計画を練り直してもいいでしょう。

つまり親としては、大学でかかるはずだった資金の一部を前倒しして高校の学費に充てるわけです。子どもが行きたいから行く大学なのですから、そこは子どもとも真正面から話し合いをしておくべきです。

支出を減らすにはさまざまな節約法を実行するのみ。それでも教育にかかる費用だけは節約したくないと考えるかもしれません。しかし、インターネットを通した授業動画の配信サービスを活用することによって塾代や家庭教師代を節約できる可能性はありそうです。