▼子どもの学費が足りない

公立高校の倍率は、昔ほど低くない?

子どもが生まれると、ほどなくしてピアノに水泳、ダンス、英会話などといった習い事から始まり、塾に受験にと、“聖域”たる子どもの教育費としてお金はどんどん出ていくもの。しかも、首都圏をはじめ大都市を中心に、よりお金のかかる中高一貫私立学校に進むケースも珍しくありません。さらにその後、私大文系の大学に進むとなれば、幼稚園から大学卒業まで約2000万円かかるともいわれています。

もっとも、子どもに中学受験をさせようと考えているほどのご家庭なら、ある程度は資金計画を考えながら進めていることでしょう。ただ、「大学までエスカレーターで行けるから、塾代はかからないはず」と期待していたら注意が必要かもしれません。レベルの高い授業についていけず、補習塾や家庭教師にお金がかかったなんて話もよく耳にするからです。

思わぬ出費という点でより負担が大きいと感じるのは、高校から「図らずも私立」となるケースでしょう。最近はこれが増えているんです。大学は私立でも仕方がないけど、「せめて高校までは公立」を想定していた家庭にとっては、「お金が足りない!」と大打撃になっています。

なぜ、そんなことが起こるのか。それは、地域によっては公立高校の競争倍率が高くなり、多くの不合格者が生まれているから。たとえば神奈川県では横浜翠嵐をはじめ倍率2倍以上の公立高校が目白押しです。親御さんの世代によっては、公立高校入試では、中学での内申点や2年生までの学力テストなどでほぼ志望校が振り分けられ、不合格者はごくわずかという印象を持っている人も少なくないでしょう。そんな感覚は過去のもの。競争が激しい公立高校に合格するには塾や家庭教師など受験対策にお金がかかりますし、結果、私立に進めば公立の倍以上の出費を覚悟する必要があるというわけです。

私立進学で中高問わず問題となるのは、当然ながら経済的にギリギリというご家庭です。まず前者の中学受験を目指すケースでは、無駄な投資を避ける意味でも、「なぜ、中高一貫私立学校を選ぶのか?」を改めてご夫婦で問いかけ合ってみてはいかがでしょうか。それも、答えに対する「それはなぜ?」を3回くらいは問い詰める形で話し合ってみてください。そこまで突き詰めれば本質が見えてきて、覚悟も固まるでしょう。