12年以前の製品が、買い替えの好機

家電購入では、電気代も気になる。藤山さんは、「2012年以前の家電は、省エネの観点でも、今が買い替えの好適期」と話す。11年の東日本大震災を機に、家電メーカー各社はさらに省エネに力を入れたため技術革新が進んだ。このため、12年より前と後の商品では、省エネ性能が格段に違うという。「特にエアコン、給湯器、冷蔵庫。一日の中で長時間使うものは、買い替えると省エネ効果で元が取れる」と藤山さんは話す。また、こうした家電の耐用年数は8~10年なので、震災前に購入したのであれば、今がちょうど買い替えのタイミングになる。

写真=iStock.com/JGalione

藤山さんによると、冷蔵庫の中で、特に省エネ性が高くて人気なのが、日立の「XGシリーズ」。省エネに加え、「魚や肉の色が変わりにくく、非常に長持ちする」という、真空環境で食品の酸化を抑える「真空チルドルーム」も人気だ。

ただ、冷蔵庫については、せっかく省エネ性能が高くても、使い方が良くないと省エネ効果が半減する。最近の冷蔵庫は背面だけでなく、天面や側面からも放熱させているので、「子どものプリントを側面にたくさん貼ったり、冷蔵庫と壁の隙間に紙袋などをため込んだり、上に土鍋などモノを置いたりするのは、冷蔵庫に毛皮のコートを着せているようなもの」(藤山さん)。特に天面は油汚れがつきやすく、そこに大量の埃が積もると節電効果が下がるため、年に1回は拭き掃除をしたい。

エアコンで、藤山さんが「省エネが一番進んでいる」と評価するのが、三菱の「FZシリーズ」。さらにこのエアコンは、最近トレンドの、「暑がりの人と寒がりの人が同時に快適」という機能を搭載した機種。「『寒がりの妻、暑がりの夫』などの、夫婦間の温度差問題を解決できる」。

エアコンでは17年ごろから、内部の自動洗浄機能が充実し始めてきたが、まだ多くはクリーニングが必要だ。通常の製品の自動洗浄はフィルター部分だけ。その奥はカビの巣になっている。

戸井田さんのおすすめは、日立の「プレミアムXシリーズ」。フィルターやその奥の熱交換器だけでなく、これまで他機種で実現していなかったファンの自動掃除もできる。「内部を自動掃除してくれるので、冷暖房の効率が落ちにくい。いよいよエアコンの内部掃除を業者に頼まなくてもよい商品が出始めました」と戸井田さんは言う。