デザイン思考の導入・その2:客観ではなく主観で話す

【JAXA保江】「IDEOの方々に何度も『主観で話をしていいんですよ』と言われました。研究職の私は、普段は技術をベースにした客観的アプローチをします。けれども、デザインリサーチでは、何を感じたか、そのまま口に出していい。それが楽しかったし、自由に発想ができた理由のひとつだったと思います。」

【JAXA岡本】「主観にフォーカスして話をしたり聞いたりすると、尖った意見が出てきやすいですよね。その尖った部分に焦点を当てると、より人間の本質が見えてくるのかなと感じました。」

そうして生まれた大量のアイデアの断片は、組み合わせたり解体されたりし、最後はJAXAの思いに合っているか、という軸で集約されていった。

JAXAメンバーとIDEOのブレスト風景
複数のアイデアをイラストや漫画に起こし、IDEOとJAXA双方の社内でフィードバックを募った
IDEO Tokyoデザインリサーチャー・堤惠理(えり)氏

【IDEO堤】「アイデアを収束させていく段階では、JAXAのミッションがより色濃く浮き彫りになったと感じました。それは例えば、環境に対しての強い責任感や、防災に対する想いなどです。

デザイン思考は『人間中心の発想法』ですが、JAXAには、『人間目線』だけではなく、『地球目線』とも言えるような視点があると感じました。」