※国土交通省・不動産価格指数(2018年8月29日発表より)
消極的
▼初心者が買える好物件は残っていない
金利が上昇したため、利幅がとれない
不動産投資の活況は2013年4月の量的・質的緩和が始まりです。当初は様子見が多かったものの、翌年から不動産投資ローンにも積極的な金融機関が出て、15~16年は最高潮でした。
ところが、あまりに貸しすぎて金融機関に貸し倒れのリスクが出てきてしまいました。それで17年頃からは、不動産投資に対する融資基準がかなり厳しくなっています。
物件価格はここ5年で3割以上は値上がりしました。また、金利も上がっています。そのぶん高い家賃で貸せれば問題ないのですが、家賃相場にはほとんど上昇が見られません。
不動産投資では、月々の賃料収入から経費と借金返済額と税金を差し引いた残りが利益です。調達コストが上がっているのに賃料収入が上がらなければ、投資妙味はありません。
家賃相場が上がれば話は別ですが、その見込みはあるでしょうか。地方や郊外では近年、賃貸アパートが乱造されました。多くは地主が相続税対策に建てたものですが、彼らは土地代を払っていないので家賃を下げられる余裕があります。対して投資家は土地+建物を借金で建てるので、家賃の値下げには限界があります。
もっとも、不動産投資には返済が進むにつれ土地が自分の資産になっていく面もあります。運用で苦労しても売却してプラスなら、投資としては成功です。となると、資産価値が下がりにくいのは都市部とその周辺ですが、こちらは出回る良物件が減っているうえにライバルがひしめき合っています。
ある程度の規模だとプロ筋が押さえてしまいますし、周辺の手頃な物件は仲介業者とパイプのあるベテラン投資家と競合します。率直に言って、実績のない人においしい物件が回ってくる状況ではありません。
未経験の初心者が今から始めるのであれば、相当ニッチな物件を探すかオルタナティブな投資しかないのではないでしょうか。
1 投資物件の利回りは低下傾向
2 地方・郊外は供給過多で過当競争
3 都市の好物件はプロ筋と競合