積極的
▼不動産投資はもっとも手堅い「複業」だ

地方でも工夫次第で、満室にできる

不動産投資ローンでは一部の金融機関で、属性に過度に偏った審査で億単位のお金をぽんぽん貸してしまう事例がありました。

その最たるものが「シェアハウス」で不正融資を行っていたスルガ銀行ですが、多くの金融機関は適切にやっていたのです。現在、審査のハードルが高くなっているのは事実ですが、サラリーマンが融資を受けられなくなったわけではありません。

銀行員だった頃、私が審査の際に最も大切にしたのは事業計画とマネーリテラシーです。大企業勤務で年収が1000万円でも貯金が100万円もないような人には貸せません。他方、零細企業勤務で年収400万円でも10年かけてコツコツ800万円貯めた人ならば信用できます。

不動産投資は洋の東西を問わず昔から行われている投資の基本。人口が減るといっても人がいなくなるわけではありませんから、いくらでもやりようはあります。

例えば、地方は供給過剰でアパート経営などもう無理だと言われていますが、私はそうは思いません。地方に行くと競合するのは高齢の地主がほとんどで、ありきたりの物件ばかりです。そうした中でデザイナーズルームやペット共生住宅など付加価値のある物件を提供すれば、人気物件になるでしょう。

不動産投資というとほったらかしのイメージですが、賃貸経営はれっきとした事業です。戦略も努力も必要だし、苦労も避けて通れません。ならば入り口でとことん汗をかいたほうがいい。いい物件をいい価格で手に入れられれば、管理や運用は外注で安定経営が可能になります。

そのためには、まずはマネーリテラシーを高めて頭金を貯めましょう。同時に、銀行や仲介会社・管理会社を訪れて相談し、信頼できるパートナーを見つけてください。今は状況的に、焦る必要はまったくありません。じっくり準備と勉強をしたうえで、始めればいいのです。

▼菅井氏が積極的な理由
1 不動産投資市場は正常化する
2 地方でも工夫次第で勝負できる
3 まずは準備と勉強から始めよう
玉川陽介(たまがわ・ようすけ)
コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ代表取締役
1978年、神奈川県大和市生まれ。学習院大学卒。大学在学中に統計データ分析の会社を創業。同社を順調に拡大させたあと2006年に株式売却。その後は株・債券・デリバティブなど証券投資を生業とするも、アベノミクス以降は不動産を中心に投資している。著書に『Excelでできる不動産投資「収益計算」のすべて』(技術評論社)ほか。
 

菅井敏之(すがい・としゆき)
コンサルタント
学習院大学さくらアカデミー講師。1960年、山形県生まれ。学習院大学卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。2003年に金沢八景支店長、05年に中野支店長に就任。48歳で退職。アパート経営に力を入れる。田園調布でカフェ『SUGER COFFEE』を経営。著書に『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)ほか。
 
(構成・編集=渡辺一朗 写真=iStock.com)
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