挙式費用を抑えたい客を狙うも、富裕層が集まった

海野氏は韓国からカメラマンの金時逸(キム・シイル)氏を招聘。金氏は1万組以上の撮影経験を持ち、独特の感性から一連の手法を確立した。現在は金氏をチーフカメラマンに、海野朱袈(あやか)氏など、3人の若手日本人女性も撮影を担う。

「事前調査では『結婚式をしなくても写真だけは残したい』という人も多かった。そこで、たとえば将来、自分の子どもが大きくなった時、『両親はこんな素敵な写真を撮っていたんだ』と思われる出来栄えをめざしました」(海野社長)

現在のリュクスの平均金額は約25万円。それなりの金額だが、挙式平均費用が約358万円(ゼクシィ調べ)に比べるとケタが違う。当初は挙式費用を抑えたい客を意識したが、予想が外れた。実際の客は富裕層が目立ち、会場には高級車で来る人も多いという。

写真提供=リュクス

求められるのは「リアルさ」ではなく「素敵さ」

リュクスの写真には構図以外にも特徴がある。「画像加工ありき」で徹底的にレタッチを施すのだ。

「基本的に撮影は、話し合いながら自由に行います。お客さまの体型や顔つき、雰囲気、選んだドレスや衣装で、使用する背景、2人の立ち位置や目線、手の組み方などポーズが変わります。これはカメラマンの技術ですが、撮影後は画像加工を行います。金カメラマンも『フォトショップは第2の撮影』と話すほどです」(海野氏)

撮った画像に、色味や明るさ、光、肌の補正、痩身などの加工を施す。撮影相手に対して、製本前に加工データを提示して再調整を行う時もある。海野氏の次の言葉が印象的だった。

「お客さまが望むのは、リアルな写真ではなく、出来あがった素敵な写真です」

同じ土俵に上げるのは違うかもしれないが、たとえば免許証の写真は「残念な1枚」になることが多い。「いつまでも残る写真」への意識は、デジタル時代で高まった感がある。