関西からの客もいるが茨城に滞在はしない
かつては「軽井沢の高原にある教会で挙式」など、撮影場所にこだわる人が多かった。失礼を承知でいえば、おしゃれなイメージのない茨城県という立地は、ハンディにならないのだろうか。
「昨年、リュクスには大分県を除く全国46都道府県から来られました。最も多いのは東京都ですが、2割は関西地方のお客さまです。特にインフルエンサ―のような、流行に敏感な人に支持されていると感じます。森を意識したウェディングハウスも、教会を備えた撮影スタジオも、国内ではなかなかありません。ただし、茨城に滞在される方は多くない。目立つのは『撮影の後は、東京ディズニーリゾートに行く』というお客さまですね」(海野氏)
客単価を上げるには、隣接するホテルで食事会を開いてほしいところ。同社もセットプランを訴求しているが、そうした「ワンストップ」の消費を促すにはまだ課題がある。一方で、カップルたちは「茨城にあるスタジオ」はほとんど意識せず、「特別な写真が撮れる場所」として、行動プランに組み込んでいるようだ。
様変わりした「結婚式の中身」
こうした美的撮影が人気となったのも、世の中や消費者意識の変化が大きい。結婚式は両家が主催するよりも、カップルの意思が尊重されるようになり、仲人を立てるケースは激減した。ホテルや専門式場、神社で結婚式を挙げる人は減り、「レストランウェディング」に代表される、仲間と楽しむような業態が成長した。客層も大きく変わった。
「昔の挙式は、日本人同士・お互いに初婚が当たり前でした。それが平成時代から離婚が珍しくなくなり、現在は、どちらかが再婚・どちらも再婚が4分の1を占め、外国人の方も増えました」(ホテル関係者)
2017年1月に厚生労働省が発表した「婚姻に関する統計」データもそれを裏づける。