官僚機構への信頼が瓦解している

この1年あまり、日本の官僚機構に対する信頼は瓦解していると言っても過言ではない。2018年の2月には裁量労働を巡って安倍首相が答弁に使った調査データが、そもそも比較不能だったことが明らかになり、法案から裁量労働制を拡大する部分を削除する大失態を演じた。3月には森友学園問題を巡る財務省の公文書改ざんが明らかになって大問題となり、官僚OBらからも「前代未聞」と批判された。

また、障害者の法定雇用率を巡って、霞が関の多くの省庁で「水増し」されていたことが8月には明らかになっている。そして、年末には国の「基幹統計」で相次いで不正が発覚した。

株式投資をするうえで、その国の経済実態がどうなっていくかを予測することは極めて重要だ。景気が悪くなる国の株価をわざわざ買う投資家はいない。日本の統計が当てにならないということになれば、日本株は買えない、ということになってしまう。

「日本で取締役は危険」が欧米の常識に

もうひとつ。昨年11月に突然逮捕され、今も勾留が続くカルロス・ゴーン日産自動車前会長の問題も、多くの海外投資家に「日本は異質だ」という印象を与えている。ゴーン前会長が日産自動車を私物化していた点は庶民感情を刺激するには十分だが、それが本当に特別背任罪となるだけの犯罪行為だったのか。ゴーン氏は無実を主張し、すべて合法的に社内決裁を経ているとしている。

本人が罪を認めず長期の拘留を続ける手法を、「前近代的」だと感じている欧米人は少なくない。「日本で取締役になるのは危険だ」という見方が、今や欧米ビジネスマンの間では常識になりつつあるという。

海外投資家に見放された日本株市場は、そう簡単には「上値を追う」展開にはならないだろう。アベノミクス開始以降に買い越した分を、今後も海外投資家が売ってくれば、日銀や年金マネーが買い支えるのにも限度がある。