「男は共感力に乏しいので『このへんスッキリしたら、きっと気持ちいいよね』と感情に訴えても意味はありません。『そう?』で終わってしまいます。むしろ『こういう理由なので、いつまでにこれをこうしてほしい』と論理的に伝える。納得すれば、不承不承でも夫は動きます」

夫の金遣いを改善したい場合も同じだ。

「いつまでに家を購入したい。それまでに頭金はいくら必要。現状はこう。だから月々の出費はここまで。私も抑えるので、あなたも協力してください、と。そういう機会を持てば、『(嫌だけど)わかった』となるでしょう」

しぶしぶ承知、嫌々やってやるという夫の態度にムカッとする妻。

「夫が快く納得することはありません。文句も言うでしょう。でも、心がこもっていないと怒ってはいけません。要は夫の行動が変わればいいのですから。女性は気持ちが変わらなければ行動は変わりませんが、男性は行動を変えることで気持ちは後からついてくることが多いのです」

妻の浪費を変えたいときも、「無駄遣いだ」と頭ごなしに否定するのではなく、1度、妻の感情に寄り添うことが大事だ。

「女性がセールで買い物に熱狂するのは、実際に安くて得をしたかとは関係ありません。セールという高揚感を買っているのです。ママ友との豪華なランチも、雰囲気、時間そのものを楽しんでいる。

まず『楽しかったようだね』と共感を見せ、金額や頻度を抑えてもらう方向へと導くのはそれからです。もう少し言えば、妻の浪費は満たされない気持ちの表れ。満たしてあげれば収まるかもしれません」

耳が痛い夫も多いだろう。

「○さんの家も、△さんの家もそうだから、うちも」と、よその家庭と比べる妻。夫は「うちはうちだ」と言い、ぶつかることに。

「女性は自分に近いフィールドを大切にするのに対し、男性はそこにはまるで無頓着で、日本や世界を語りたがるものです」と五百田さん。

夫は妻の視野の狭さを見下しがちだが、妻は社長であることを思い出そう。妻が本当に求めているのは会話のラリーだと五百田さんは指摘する。

「とにかく『○さんは何と言っているの?』『△さんの家は?』とカウンセラー的に妻の話を聞くことです。会議ではないのだから、結論は必要ない。妻は夫と会話していることに安心するのです。興味がなくても、寄り添い聞くという姿勢が大事です」