二束三文どころか、引き取り料がかかる場合が多い
どんなに元気な親も、いつか必ず亡くなります。実家の片付けは、親の存命中から少しずつ始めることをお勧めします。いきなり親の物からではなく、まずは実家に残している自分の物から整理し始めましょう。昔のアルバムや表彰状などを親と懐かしみ、徐々に親の物に移るのが理想です。
親がいままで普通にできていたことができなくなり、「あれ?」と感じることが出てきたら、そのときがスタートのタイミングです。帰る回数を増やし、親とコミュニケーションを取りながら片付け始めてほしいです。
とはいえ、亡くなるまで何の準備も、片付けもしていない、というのはよくある話。親世代は物持ちがいいため、古い衣服から小物までなんでも残しがち。まずは他人には任せられないものを処分しましょう。
宝飾品や着物、思い出の品物などは、親族での形見分けをお勧めします。故人を偲びながら、心も整理できますよ。
家具などは業者に頼むほかありません。二束三文どころか引き取り料がかかる場合が多いと思いますが、自分たちで処理するには手間がかかりすぎます。
きょうだいは他人の始まり。誰が何を片付けるかなど、面倒な話は揉め事に発展します。どうにもならないときは司法書士や弁護士など、専門家に入ってもらうのも手です。尾を引く厄介事にならないようにしたいものです。
親の存命中に着手。他人に判断不可の物から処分する
(構成=衣谷 康)