親にとって、子どもの進路には、期待もあれば不安もあるだろう。わが子はどんな仕事に向いているのか。そんな疑問を解決する天職診断を今回ご紹介する。

天職とは何か、親は何ができるか

人工知能(AI)が働き方を変えると言われるなど、社会が変化するにつれて、仕事の種類も増え続けています。また、世の中にはあまり知られていない職業もたくさん存在しています。

写真=iStock.com/FatCamera

今回ご紹介している「思い出からみるタイプ診断」は、みなさんの職業選びの視野を広げるきっかけになればいいと考えています。質問に回答して、自分の考え方の傾向や、歴史上の偉人でいえば誰に似ているのかを把握することができます。そして、「このタイプに多い仕事分野」を見ていく仕組みになっています。たとえば、「クリエイティブな努力家」タイプと診断された人の結果を見てみると、1位「生き物」に関わる仕事、2位「ファッション・美容」の仕事、3位「公務員」の仕事、となっています。これは統計上、自分と同じタイプには、こういった仕事分野で活躍している人が多いということです。さらに調べ進めていくと、「生き物」に関わる仕事には、医師や獣医師、ブリーダー、騎手など様々な職種があることがわかります。1度もその職業に興味を持ったことがなかったり、大人の方も、いま仮にその仕事に就いていなかったりした場合でも、「もしかすると、自分はこの仕事に向いているのかもしれない」と考えるヒントになります。

「子どもには天職に就いてほしい」と、親として願うのが普通だと思いますが、私は「天職」という言葉の使い方に気をつけるようにしています。「自分にぴったり」という意味で使われる場合が多いのですが、どうもしっくりきません。「天職」とは、パズルのピースがはまるようにぴたっと合う感覚のものというより、たまたま自分が就いた仕事であっても、いかに楽しむことができるかということではないでしょうか。そこで自分の得意なことを身につけ、キャリアの土台を築き上げていくことで、「天職」にたどり着くものだと思います。

私自身の話でいえば、実はSEとして仕事を始めています。その後、本の『13歳のハローワーク』のウェブサイト作成に携わった経緯から、「13歳のハローワーク 公式サイト」の編集長になりました。自分がどういった仕事に向いているかは、自分でもなかなかわからないものです。

また、子どもが職業を選択する際、親が「医者がいい」「公務員がいい」と一方的に決めつけてしまうのはよくありません。親はあくまでも子どもの視野を広げる手伝いをしてあげるのが、望ましい態度でしょう。大人でさえ「天職」に就くのは難しいもので、大人よりも世の中を知らない子どもたちはなおさらだからです。そして、最終的には「自分で自分の仕事を選ぶ」ように仕向けることが大切です。

私の娘がいま中3で、卒業後は高校に行かずに馬の学校に行きたいと言っています。親から見ると高校に行かないリスクは大きいし、心配でしかたありません。しかし、4年も前から同じことを言っていてブレないし、十数年生きてきたなりに考えて出した答えだから、いまは応援したいと思っています。親の反対を乗り越えて自分で道を開くくらいのたくましさを子どもたちに期待しています。