複雑な金融商品は、必ず誰かと相談する

70代で、もうひとつ気をつけたいのが「アクシデント破綻」。高齢になると、オレオレ詐欺などの特殊詐欺、高額な羽根布団や浄水器などを売りつける悪徳商法などに狙われやすくなる。

こうした悪質なケース以外にも、お金があると思われている高齢者は、金融機関からのアプローチも多く、商品内容を理解しないまま保険や投資信託などを契約してしまうケースもある。被害にあわないためには、自分ひとりで判断せずに、誰かに相談することが大切だ。

そのためにも子どもや親戚とは良好な関係をつくっておきたいもの。特に円満な夫婦関係は、老後破綻を防ぐ重要なポイントになる。

一般的なサラリーマン家庭の年金は、夫が月15.6万円、妻が6.5万円程度(厚生労働省18年度新規裁定者の年金額の例)。夫婦合わせれば月20万円強となり、なんとか暮らしていけるが、熟年離婚したら、このわずかな年金を取り合うことになり、結局、夫婦共倒れだ。

「退職したら時間もあるので、これまで妻に家事を任せていた夫も、炊事、洗濯、掃除を分担して、夫婦で仲良く暮らしていけば、経済的な破綻も免れるのではないでしょうか」

そして、70代のうちにやっておきたいのがエンディングノートの作成だ。人生の最終段階における医療や介護の受け方、葬儀やお墓に関する希望などを記入し、これからの人生をどのように暮らしたいかを周囲の人に知らせておくのだ。葬儀やお墓に対する考え方は多様化しており、シンプルにすれば、費用は抑えられる。

17年の65歳の人の平均余命は、先に述べたとおり男性19.57年、女性24.43年。65歳で定年したあとも、これだけの人生が続く。満足のいく暮らしを送れるようにするためにも、それぞれの年代で起こりうる破綻リスクを知り、早め早めの準備をしておこう。

早川幸子
新聞、雑誌等に医療や社会保険などお金の問題を寄稿。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』など。
 

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
生活デザイン代表取締役
慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社勤務を経て、ファイナンシャル・プランナーに。2001年に家計の見直し相談センターを設立。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』など著書多数。