最近すっかり定着したインターンシップ(就業体験)は事実上の就活となっていて、企業は早慶を中心とした人材を早期に囲い込んでいると、人事ジャーナリストの溝上憲文氏は語る。
では、学生の企業選びの基準には変化はないのか。溝上氏が続ける。
「残業時間はあるか。あるなら何時間か。面接でそうした質問をする学生が多いそうです。昨今の学生は、仕事よりもプライベート優先。大学時代、学習塾や飲食店でアルバイトしたとき給与不払いや長時間残業などブラック体質の洗礼を浴びているため、卒業後に正社員で勤める企業では、そうした体質でないことが企業選びの重要な条件となっています。よって、不祥事やコンプライアンス違反といった問題を起こした企業は敬遠する傾向にあります」
鉄道会社に強い、2大伝統校
航空会社への就職者数で、早慶に匹敵する躍進ぶりだったのが、英語教育に定評のあるミッション系の青山学院大、立教大、上智大だ。
鉄道会社に数多く卒業生を就職させた大学で目を引くのが、日本大や芝浦工大である。日大からJR東日本に59人(1位)、JR東海に19人(2位)入っている。芝浦工大もこの2社に計58人も就職している。実は、JR系にこの2つの中堅大学が強いのは例年のことで、機械工、材料工、電気工といった工学科から就職する者が多い。
一方、商社は慶應大・早稲田大の独壇場だ。三井物産、三菱商事、伊藤忠商事などでもこの2校が1、2位だ。
「商社の平均給与は30歳手前で1000万円を超える高待遇。若いうちから大きな仕事もできるため、人気は高いですが、採用数は100~150人程度。そのため、OBが多数いることもあり、慶應大卒、早稲田大卒が採用される率が高くなります」(海老原氏)