※本稿は、愛波文著・西野精治監修『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)の第1章と第2章の一部を再編集したものです。
子どもの睡眠を改善して、ママもパパもハッピーに
「子どもがすんなりぐっすり眠る魔法、教えてください!」
あらゆる寝かしつけ法を試しているのに子どもの睡眠問題が解決しない―――そんな悩みを抱えた多くのママたちが、こう言って私のところへコンサルティングに来ます。もちろん、そんな魔法があるならお教えしたいのですが、残念ながらありません。
でも、大丈夫。安心してください。魔法はないですが、夜泣き・長時間の寝かしつけ・早朝起きの子どものねんねのトラブルは科学的根拠に基づき改善は可能です。
よかれと思ってやっていたことが、実はトラブルの原因に
科学的な観点からねんねを考えた時、保育者が普段なにげなくしていること、子どもによかれと思ってやっていることが、かえって寝かしつけを長引かせていたり、夜泣きをひどくさせたりしていることがわかります。次のようなことをしていませんか?
□寝冷えをしないように、服は大人より一枚多めを心がけている
□冬でも寝室はエアコンの温度設定を25度にしている
□寝るときの照明は、天井の常夜灯にしている
□子どもが完全に寝ついてからベッドに置く
□子どもが寝ているときは、できるだけ音を立てないように注意している
□夜中のおむつ替えのとき、よく見えないのでそのときだけ照明をつける
□夜中、「あー」「うー」と子どもが言ったら、すぐにあやす
□夜中の授乳時は、「よく飲むねー」「いい子だね」と声をかける
□とにかく自分のことは二の次。子どもを寝かせることを最優先している
上記に挙げた項目、当たり前のように毎日しているママもいると思います。でも、これらすべて、子どもの安眠をかえって妨げている可能性があるのです。
たとえば、夜中のおむつ替え。パチッと照明を明るくして、「○○ちゃん、いっぱいオシッコ出たね。おむつ替えしましょうね」と話しかけ、ていねいにお尻ふきでふいてあげる。私も長男のとき、これを毎晩繰り返していましたが、科学的に見るともってのほか。わざわざ夜中にしっかりと覚醒させていたのです。
また、「あー」「うー」と声をあげたり、激しく動いたり、目を一瞬開けたりしていても、脳波を見ると実は寝ているという研究結果もあり、少し様子を見ているとまたすぐに静かに寝ます。これは赤ちゃんの脳は未熟なために寝ているにもかかわらず起こることです。
脳が活発に動いているレム睡眠のときには、目が素早く動き、体がピクピクします。このときに起こしてしまうと、夜中の覚醒がクセになってしまうことがあるので、注意が必要です。付け加えると、天井の常夜灯は、寝る環境としては明るすぎます。