また、夢中になりすぎたがゆえ、嫌いになりかけた趣味もあった。
「NBAはどっぷり漬かりすぎて、心をやられたことがありました。情報ほしさに海外のサイトを探しては、特派員や解説者の報告を翻訳して読んでいたんです。さらにみんなの反応を検索しながら、試合もずっと見て……。どんどん睡眠時間が削られていって、体調が悪くなりましたね」
「スニーカーでも袋小路に入ったことがあります。SNSにレアもの自慢が増えてきた頃、だんだん『これってやりすぎじゃないか』と思えてきて、その態度がマニアから嫌われたこともあって。趣味に深入りするとそのジャンル自体は嫌いにならないけど、関わる人が嫌いになることはあるんですよね」
NBAの一件で「情報がありすぎるのも怖い」と感じたRGさんは、SNSを見過ぎないことを決意。あらゆる趣味のジャンルで、信用できるニュースサイトを探して、閲覧するのは3つまでにしぼりこんだ。スニーカーは、みんなに「いいね!」と認められるのが快感だった、激レアモデルの購入と決別。好きなものだけ買うという原点に戻ってからは、昔の楽しむ感覚が戻ってきた。
「仕事を快適にする」ことと関連づける
そうやって適切な距離を保つことさえできれば、「趣味が多いほどストレスが減る」とRGさんは主張する。
「たとえば、朝から遠い場所で仕事があると、どうしても『イヤだな~』と感じてしまう。でもその感情で過ごす時間って、もったいないじゃないですか。それを打ち消せるのが趣味。僕の場合であれば、移動中に足が疲れないスニーカーを選ぶのも楽しいし、好きなスニーカーをはけば、移動している間テンションがあがりますから」
「通勤時間を楽しむため自動車にお金をかけるのもいいし、職場で元気を出すために文房具にこだわるのもいい。『仕事を快適にする』ことと関連づけると、自分も楽しめて、家族の理解も得られると思いますよ」
1974年生まれ。本名は出渕誠。立命館大学卒業後、社会人経験を経て、1997年レイザーラモンを結成。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。