とはいえ、1足1万円はするスニーカーを年間50足も買えば50万円。スニーカーにのめりこむほど、奥さんは「こんなに買って、どこに置くの?」と表情を曇らせていった。
「まさに男の趣味あるある、『嫁と家のスペースと戦いがち』ですね(笑)。でもそこはごまかさず、妻に趣味のメリットを説明しました。『ファッションに気をつけるようになるので、老け込まない』『ギャンブルや酒に比べたらお金がかからない』『コレクションが増えすぎたら売ることもできるし、値段があがるケースもある』……。そしてもちろん、仕事につながるということも。結局、納得してもらえましたね」
だが、いくら身内に認めてもらっても、芸能人が意気揚々と趣味を語ると、「ブームにのっかって」「よく知らないくせに」といった批判を受けやすい。しかしRGさんは各趣味で愛好家たちに認められ、アンチがつきにくい傾向がある。
シーンに還元する公共心
たとえばスニーカーでは、スマホのカメラに向かってスニーカーを前に突き出し、顔と全身のコーディネートと一緒におさめる自撮りポーズ「キモ撮り」を発案。インスタグラムで「♯キモ撮り」はHKT48の指原莉乃さんがまねたことで流行し、スニーカー愛好家からも支持を得た。一体、何が評価されるのか。RGさんは、「公共心」というキーワードをあげる。
「スニーカーの情報収集と研究のため、世界中のインスタを見てたんです。そこでスニーカーとファッションを同時に見せながら、カッコよく自撮りするにはこのポーズが一番だと編み出したのが『キモ撮り』。本当はみんなカッコつけたポーズをしたいけれど、照れてやらないんですよ。でも『RGのマネしてみました』だったらやりやすいじゃないですか」
「『キモ撮り』って、『僕はこうあわせているけど、みんなはどう?』という問いかけがあるし、スニーカー好きなら誰でもできる。そうやってシーンに還元する公共心が認められたことで、マニアからの批判が少ないのかもしれません。『俺のコレクション、みんな見て!』という姿勢で自分だけ目立とうとすると、たたかれるんでしょうね」
そしてもうひとつのキーワードが「謙虚さ」だ。
「芸能界でも、ベースだったら中村梅雀さんが極めすぎてアルバムを出してますし、バイクだったらチュートリアルの福田(充徳)は一時期ガレージつきのマンションに住んで、レースにまで参加していた。どんな趣味も上には上がいて、『僕なんてまだまだ甘い』と思っています」