時にはSNSでファンから求められるままに、「あるある」を発信する。利他の精神は、仕事の契機を創出することもある。趣味が仕事になった発端は、バイクだった。

「久しぶりにバイクを買ったとき、コンビそろってバイク好きのチュートリアルに『一緒に出かけましょう』と声をかけたんです。そうしたら人も集まっていないのに、『RGツーリングクラブを作ってや!』と言われたので、早速、勝手にステッカーを作って2人に持っていきました。実質2人が中心のチームなんですけど、当時の僕はヒマだったんで、ツーリングの段取り係を自ら買って出たんです」

主催する「RGツーリングクラブ」ではDVDを2枚出している。(撮影=尾藤能暢)

「そのうちメーカーや雑誌の関係者も加わって、LINEグループを通じて関係を築いていきました。そうやってグループを大きくさせながら、今度は人を集めるイベントへ発展させていくと、『こんな仕事どうですか?』と声がかかるようになる。この手法は他の趣味でも応用していますね」

ポイントは、「趣味を1人で完結させないこと」。そのことを心がけているRGさんは、参加する飲み会も、趣味にからんだものが多い。

「近況報告したり情報交換したりしながら、各分野のエキスパートに話を聞くのが楽しいんですよ。そこで仕入れた情報は、テレビやイベントでも使わせてもらいます。すべての趣味は『もっと知りたい』だし、仕入れた話を『みんなに早く言いたい』なんですよね。インプットとアウトプットがあることで、さらに面白くなる」

情報を押さえるべき時期を把握しておく

それにしてもこれだけ多くの趣味を持っていると、どれかがおろそかになることはないのだろうか。RGさんに複数の同時進行させるコツをたずねると、「自分では同時進行している意識はないんです」と答えた。

「スポーツにはシーズンオフがあるし、バイクだったら乗る時期・乗らない時期がある。たとえばNBA観戦であれば、開幕に向けての流れとプレーオフに近づくまでの特定の時期を重点的に見るといいというのがだんだんわかってくるんですよ。今はそういうメリハリをつけながら、集中すべき年間スケジュールが、頭の中で大体組まれていますね」

「でも捨てた趣味もありますよ。悔しいのがラジコン。小学校のとき貧乏で買えなくて、それでも欲しくてカタログだけよく読んでいたんです。それでお金に余裕が出てきて買ってみたら、今のラジコンは家の周囲で遊ぶことより、特定のコースでドリフトさせるのが主流になっていたんですよ。さらに日々パーツも進化しているから、片手間では追いつけない。欲しいラジコンもいっぱいあるし、時間さえあればコースに行きたいんですけど……」