やる気のない子は「得意を伸ばす」

ひとつ完成形をつくると達成感が得られる(写真=『読むだけで どんな運動もできる子になる!』)

体を動かそうと誘っても、「いや!」の一点張り。ふざけて真面目にやってくれない。運動したがらない子を動かすのは本当に大変ですよね。親としては教えるのがどんどん面倒になってきます。

どうしたら、やる気のない子に運動をさせられるのでしょうか?

その答えは、「得意を伸ばす」です。ひとつ完成形をつくってみると、達成感を得られるので自信がつきます。やる気が出てくるので、次のステップにも進みやすくなります。

現に、オリンピックなどで日本代表として活躍している選手たちは、すべての運動種目を上手にできるわけではありません。

泳ぎが得意で数々の受賞経験があっても、陸の競技になると全くできない選手たちを、私は体育大学の学生時代によく目にしていました。その意外な光景によく驚かされた記憶があります。

そして、輝かしいスポーツ人生を歩んできた選手たちは、「○○は小さい頃からずっと好きでやってきたけど、××に関しては全くやってないに等しいから」と苦笑いしながら言っていたことも思い出されます。

自主性を尊重してやる気を見守る

このように、すべてを完璧にする必要はありません。得意なところ、やりやすいことを伸ばしていけばよいのです。「ぼく(わたし)は何をやってもダメだから」と自信を失わせないことが大切です。

子どもは楽しくないものはやろうとしません。楽しければ勝手にやります。楽しいと思わせるためには、思いっきりほめて自信をつけさせる方法が一番です。

一方で、大人が口出ししすぎても、子どもはやる気を失います。言葉数は少なめに「ボール、さっきよりも飛んだね」などと結果だけ言葉で伝えてほめてあげてください。

子どもの自主性を尊重して、やる気を見守りましょう。

水口高志(みずぐち・たかし)
体育家庭教師 スポーティーワン代表
1973年静岡県生まれ。93年日本体育大学在学中より体育の個人指導を始め、2001年に体育家庭教師派遣会社「スポーティーワン」を設立。05年少人数制体育スクール「スポーティーワン教育プラス」を開講し、08年4月に体育専門校「スポーティーワンアカデミー」開校。運動を通して“やればできる!”という気持ちを伝えるべく、心理カウンセラーの資格も生かして、3,000名以上の子どもたちに指導を行ってきた。著書に、『体育が得意になる! パパとママのとっておきコーチ術』(メイツ出版)、『コツをつかんで苦手を克服! 小学生のための体育基本レッスン』(朝日学生新聞社)などがある。
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