生涯年収は就職の「タイミング」で決まる

さらに、「正月だから、これから○○しよう」と考えるのも日本だけではなく、世界共通のようです。ピンクはランドマーク効果と呼んでいますが、私たちは普段の生活でさまざまな区切りの日を意識し、そこからリスタートをしようとするのです。

ですので、三日坊主を恐れずに、そのようにリスタートをできるタイミングがあれば、どんどんした方がいいということになります。

これの逆がラストスパート効果でして、例えば私たちは29歳や39歳、49歳の時には「新しくフルマラソンに参加しよう」など、今しかできないと考えると、やる気になります。これはまさしく締め切りが私たちにやる気を与える効果と同じです。締め切り間際しか結局なかなかやる気が出ないのであれば、その締め切りを上手に使えばいい訳です。

これまで、いつやるかということについて、私たちは「何をやるのか」に比べると、ずっと低い優先順位で考えてきました。しかし、今後は「何をやるのか」よりは、「いつやるか」について、同等か、それ以上に高い優先順位で取り組む必要性があることを、ピンクは科学的エビデンスに基づいた強力な証拠とともに示唆しています。

日本が中国に追い越された理由

現代において日本は中国に追い抜かれ、追い越されました。これは日本が中国より劣っているということではなく、正しくタイミングの問題として日本がすでに発展しすぎていたから、新しいものを取り入れることができなかったのです。

中国の最新都市の1つ、深センはほんの30年前まで人口の少ない漁業を中心とした地方都市でした。それが、わずかの間に人口が1500万人余りとなり、タブレットやスマホで有名なファーウェイや、ドローンの世界最大のシェアをもつDJIなど、著名な企業が立ち上がっています。