「安倍首相の狙い」を評価する読売のいやらしさ
安倍政権擁護の読売新聞の社説(9月12日付)はどうだろうか。
「共同経済活動を着実に進めよ」という見出しを掲げて書き出しからこう主張する。
「停滞する領土交渉を打開するには、首脳間の合意を着実に履行し、地道に実績を積み上げるほかに道はなかろう」
割と冷静な主張だが、読み進むと、読売のいやらしさが見えてくる。
「北方4島には1万数千人のロシア国民が居住している。経済協力や人的交流を進めることで、日露間の信頼を醸成し、領土返還につなげる狙いがある」
安倍首相は5項目の共同経済活動によって経済協力を高め、人的交流を深めようというのだ。
「期限を区切って協力案件を具体化させる取り組みは評価できる。両国は行程表の詳細を明らかにしていないが、合意を尊重し、実現の道筋を付ける必要がある」
読売社説は共同経済活動の行程表の合意を「評価できる」とまで書く。
朝日とは違って北方領土問題解決の糸口を示唆
朝日とは反対にどこまでも安倍政権を擁護することが、大好きなのである。
後半で読売社説は「日露の領土交渉では、トップ同士の合意が欠かせない」と書き、こう主張する。
「首相はプーチン氏と会談を重ね、領土返還がロシアの利益につながることを粘り強く訴えねばならない。それが、実務的な協議を加速することになる」
ここも朝日とは違って北方領土問題解決の糸口を示唆している。こうした読売社説の姿勢は理解できなくもない。
(写真=時事通信フォト)