なぜ大学病院ではなく「近くの並医がいい」のか

黙って去らない

黙って病院に行かなくなることはお勧めしない。せっかくの検査データなどがムダになるからである。とはいって「先生の診察は信用できない」などとクレームをつけるのも得策ではない。「会社近くの病院に転院したい」などと無難な理由で、紹介状を書いてもらうのがよいだろう。「まだ、次の病院がはっきり決まっていないので」などと言って、宛先未定で作成してもらうこともできる。

大病院は紹介されて行くもの

書店には「病院ランキング」を名乗る本が数多く並んでいる。ランキング上位は大学病院や有名病院ばかりだ。だからといって、一般の患者がいきなり大学病院を受診することはお勧めできない。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/twinsterphoto)

2016年から、紹介状なしに大病院で初診を受けると、緊急時を除き5000円(歯科の場合は3000円)以上の特別料金を必ず支払うようになった。また、大学病院は研修医の修行の場でもある。簡単な病気なのに大学病院での手術にこだわると、研修医に担当されることも考えられる。大学病院にこだわるメリットはない。

【4:遠くの名医より近くの並医】

テレビドラマとは違って、現実の病院には「(どんなに難しい手術でも)私、失敗しないから」と宣言する医者は存在しない。また、たった1時間で治療が完結することもない。一方で、「患者の話を親身に傾聴してくれて、待ち時間がない」というクリニックも存在しない。

スーパードクターや美人女医を探すのは、テレビドラマの中だけにしておこう。現実の医師は「ハズレでなければ検討する」くらいにハードルを下げたほうがいい。

良医の条件としては「患者に寄り添う」「じっくり話を聴く」が挙げられる。だが、土曜日午後や緊急手術の直前などは、患者の話を遮って診療スピードを高速化せざるをえないこともある。初診ではピンとこなくても「明らかにダメ」でなければ、数回は同じ医師を受診してみよう。時間をかけてデータを蓄積することで、見えてくる真実もある。

「イイ男は探すものではなく、育てるもの」という言葉があるが、「イイ医者探し」にも共通する。遠くの名医よりも、通いやすい範囲で相性のよさそうな医師を選び、長く通うことであなただけの良医へと育てるべきである。

(写真=iStock.com)
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