会社に頼らない、老後の年金計画とは

確定給付年金、確定拠出年金ともに退職時に年金払いで受け取る方法と、一時金として一括で受け取る方法の2つがある。さらに年金の支払いは有期(10~20年)年金と終身年金のおおまかに2種類があり、どちらをとるかは企業の年金規約により異なる。だが「長寿化による企業リスクが高いために有期化を検討する企業も多く、終身年金は減少傾向ではないか」(佐藤担当部長)という。

驚いたのは年金払いではなく、退職時に一時金として一括で受け取る人が圧倒的に多いことだ。

「概ね7~8割の人が一時金で受け取っています。最大の理由は税制上の退職所得控除でかなり優遇されるからです。年金で受け取っても給付利率が昔ほど魅力的でないこともある」(同)

すでに企業年金は公的年金を補完する役割を失いつつある。退職金も企業年金も減らされるなかで、老後の生活資金は自ら運用して築かなくてはいけない。あなたが40代であれば、まず会社の退職金規程を調べて企業年金があるかどうか、あるとすればどれぐらいもらえるのか人事部門に聞いてチェックすることだ。さらに公的年金を含めて65歳以降にどれだけもらえるのかをシミュレーションし、それを参考に不足分を補うために今から資産運用など蓄財に着手してみよう。

佐藤担当部長は「会社に確定拠出年金がなければ、個人型の確定拠出年金であるiDeCoで運用する。そして60歳で一時金として受け取らず、できれば70歳まで運用して、運用益非課税をしっかり受け、年金払いで受け取る。あるいは18年から始まる『積立NISA』も運用益の優遇制度があるので、そちらも併せて検討する。優遇税制に着目した投資をお勧めしたい」と語る。