▼覚えておきたいマナーべからず集
●=中華圏 ●=イスラム圏
「皆さんで」というお土産は意味不明。
「贈り物は個人対個人の関係をつくりたいという意思の表明。みんなで分けるものではありません」(吉村氏)
同僚の仕事を手伝おうとしない。
「任務や成果は個人のものというのが中国的常識。おせっかいに手伝うのは、仕事の横取りだと受け止められます」(吉村氏)
宴席での手酌は論外。
「必ず誰かを誘って、ともに乾杯を。テーブルを回って、ひとりひとりと盃を交わすことも重要です」(吉村氏)
「昨日はごちそうになりました」は禁句。
「その日のお礼はその日に。翌日以降に言うと、『またあの店でごちそうしてください』と催促していると思われます」(吉村氏)
使用人や運転手を差別しない。
「『神の前では万人が平等』というのがイスラムの基本。そうした行動は必ず相手に見られています」(佐々木氏)
相手の持ち物をほめてはいけない。
「『あなたのその持ち物がほしい』という意図があると受け止められます」(佐々木氏)
男性から女性に握手を求めない。
「先方のお宅に呼ばれたようなときも目礼のみに。相手に随行する女性に関心を示さないのが礼儀です」(佐々木氏)
「イジリ芸」は絶対NG。
「関係の親しさを表現しようと、第三者の前で『こいつはこんな奴でさ……』などと笑いものにするのは最大の侮辱」(佐々木氏)
吉村 章
アジアネット代表
企業の中国市場開拓やパートナー探し、赴任者研修プログラムを提供。著書に『中国とビジネスをするための鉄則55』など。
 

佐々木良昭
経団連21世紀政策研究所ビジティング・アナリスト
イスラム諸国の豊富な人脈を基に情報を発信。『ハラールマーケット最前線』など著書多数。
 
(写真=TETSUO SAYAMA/SEBUN PHOTO/amanaimages, JON HICKS/SEBUN PHOTO/amanaimages、iStock.com)
【関連記事】
人の気持ちがわからない人の致命的理由3
職場でトラブルになる“SNSの無礼”10
なぜ日本は"タバコよりお酒"に寛容なのか
「香典いくら?喪服NG?」現代のお葬式
「子連れで夏フェス」は親の身勝手なのか