わからない問題は躊躇なく解答・解説を読む

「繰り返し読むのは復習頻度を高める効果があります。テキストが目の前にないとき(スキマ時間など)に、今日読んだ部分には何が書いてあったかな、と頭で思い出す行為もいい復習の機会となり、理解度がいっそう高まります。同時に自分の理解度が不十分な点も見えてくるので、次回はその部分を重点的に読めば習熟度も増していきます」

思い出す行為は、自分だけのミニテスト。仕事で多忙なときも、数分あればできる。例えば、仕事で疲れた後に1時間も割いて机の上でゴリゴリやらずとも成果を上げることはできるのだ。

「新しく知った知識・情報を人に簡潔に論理的に話せるか・教えられるか、を試してみることも自分の理解度を深めます」

勉強のハードルを下げる方法はほかにもある。それは、過去問などの問題集でわからない問いは「躊躇なく解答・解説を読む」というもの。ズルをしているようで後ろめたく感じる人もいるだろうが、そうではない。

「語学や資格試験は課題範囲やゴールが決まっています。最近の教材やテキストは、詳しい解答・解説付きのものも多いです。よって、わからない問題はそれを読めば、出題の傾向や頻出のキーワードもつかめてその後の勉強のヒントになります」

▼間違いだらけの勉強法5
1:頑張って勉強
張り切って勉強しても、続かなければ意味がない。頑張りすぎないのがコツ。気軽に、できる部分や得意な部分を読み、課題に取り組むと、ウィルパワー(意志力)を消耗しないので継続して勉強できる。
2:じっくり精読
1ぺージ目からじっくり・ゆっくり精読してしっかり理解しながら進むことを意識しすぎると、勉強するのが嫌になり挫折してしまうリスクも。本文で紹介したように、飛ばし読み&繰り返し読みが実は合格への近道。
3:ノートに整理
勉強内容をサブノートにキレイにまとめることで満足し、繰り返し勉強ができない人は多い。逆に、テキストの余白にキーワードを大きな字で書き込む、メモ紙をはさむ・貼るなどしてテキスト内で完結させるべし。
4:ズルせず習得
過去問題集を懸命に時間をかけて取り組むのは時間のムダ。わからない問題はすぐ諦め、解答を見る。その代わり、付記されている解説文を熟読し、出題の傾向や頻出のキーワードをチェック。それを踏まえて勉強する。
5:1人でコツコツ
コツコツこまめにやるのは正しいが、1人で勉強していると煮詰まることも。勉強して覚えた新しい知識・情報を、家族や友人などに説明し、フィードバックをもらうことで理解度が増し、理解不足の点を認識できる。
※宇都出雅巳さんへの取材に基づき編集部作成
(取材=大塚常好)
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