同じ航空業界の日本航空(JAL)は前年の7位から9位にランクダウンした。ただし、給与面ではJALが859.4万円とANAの818.4万円を上回っている。JALは経営破綻の影響で給与カットが行われていたが、業績回復に応じてボーナスが復活。来年はさらに順位を上げそうだ。

5位は楽天。インターネット通販事業をはじめとして、旅行・保険・カードビジネスなどに進出し、独自の経済圏を作り上げている。2019年にはドコモ、KDDI、ソフトバンクに続いて携帯電話事業に参入する予定だ。楽天の平均勤続年数は4.6年。上場企業の平均勤続年数(2016年度で約12年)に比べて短いが、「好きなものを扱っている。経営者が魅力的」(48歳/女性/経理・財務)と評価する声もあった。

LINE、メルカリなどテクノロジー企業が飛躍

昨年に比べて、軒並みランキングを上げているのが銀行だ。三菱UFJ銀行は104位から46位、みずほ銀行は118位から66位、三井住友銀行は113位から75位にランクアップしている。ただ、昨年は282位にランクインしていた地銀ナンバー2の千葉銀行が選外(301位以下)になるなど、業界としてみるとメガバンクに票が流れているようだ。

ITベンチャーの台頭も目立つ。LINEは前年129位から今年32位と大きくランクアップした。同じく大きくランキングを上げたのはメルカリだ。昨年は300位圏外だったが、今年は192位にランクイン。今年6月に東証マザーズに上場すると、時価総額は一時7000億円超えを記録して話題を集めた。新卒社員の初任給を一律にしないなど大胆な給与体系を打ち出している。

ビールメーカーは不遇の時代へ

転職人気企業ランキングの常連だったビールメーカーは、軒並み順位を落とした。サントリーは9位から16位、アサヒビールは43位から67位、キリンホールディングスは79位から100位に下がった。

同じく不人気だったのは、物流業界だ。売上高で業界最大手の日本通運は152位から254位に大幅ダウン。業界3位のヤマトホールディングスは70位から118位にランクを落とした。ただし売上2位の日本郵政は前年のランク外から158位に順位を上げている。同社は郵便業務以外にも金融・保険業が堅調に推移しており、その影響も考えられる。

最後に、昨年から今年にかけて不正や事件のあった企業のランキングの変動を見てみよう。昨年7月、新国立競技場の現場監督が過労自殺した問題。競技場建設の元請けである大成建設は126位から189位にダウンしている。昨年6月、違法残業で労働基準監督署から是正勧告を受けた大和ハウス工業は151位から224位にダウン。昨年10月に製品の性能データ改竄問題が発覚した神戸製鋼は279位から圏外となっている。