トヨタ生産方式はなぜ、他社では機能しないのか

経営について他社から学ぼうとすると、どうしても華やかな成功例に目がいきます。しかし、成功例から学ぶことは難しいものです。なぜなら、成功は“十社十色”で、一つひとつの成功が独自のものだからです。

トヨタ生産方式の「アンドン」で生産工程の異常はひと目でわかる。(時事通信フォト=写真)

戦略の基本は、他社と違うことをやることです。他社と同じことをやっていれば、どんぐりの背比べになり、泥沼の競争になって利益が出なくなります。いかに他社と違うことをやるかが、成功の必要条件の1つなのです。したがって、他社の成功を見て同じことをやっても、成功にはつながらないということです。

実際、成功している企業は、必ず他社と違うことをやって成功しています。例えば、同じ自動車業界で、トヨタとポルシェはどちらも成功している企業と言えますが、戦略はほぼ正反対です。トヨタは、ファミリーカーからスポーツカー、商用車まで全方位展開で、万人に受け入れられる自動車を生産し、圧倒的な台数を販売しています。一方のポルシェは、高級スポーツカーブランドとして、特定の層だけをターゲットとした車づくりを行っています。