レベルの高い経営者に入会してもらった

――勉強会は冒頭から実践的なセッションでした。

森川:國光さんをはじめ、最初にメンバーになってもらった人たちは、レベルの高い経営者を僕が誘って入会してもらいました。高いレベルの会にしたいと考えてのことです。

僕らはWAOJEを単に学ぶ場所ではなく、ビジネスに生かせる場所にしたいと考えています。第1回の勉強会では、質疑が議論に展開する中で、 マネジメントのスタイルなどほかの方たちからなるほどと思うやり方を聞くことができて、講師役の僕にとっても刺激になる議論でした。

C Channelの森川亮社長(撮影=門間新弥)

――多忙な森川さんですが、こうした会を運営することのパフォーマンスをどうとらえていますか?

森川:そこでしか聞けない話があることが重要だと考えています。

一般的な話や成功談は本を読めばわかりますが、失敗した話は会社の評価に影響するのでなかなか口外できません。でも失敗した話にこそ意味があるわけで、こぢんまりとした少人数のコミュニティで、ここでしか話せない経験を共有できるのは、貴重な学びになります。

中国市場をとらない限り、海外で勝ったとは言えない

――特に中国事業に関する議論が盛り上がりました。

森川:メンバーの中にも、中国事業からは撤退した人や、中国で18年戦っていてもなお難しいと言う人もいます。でも、今後数十年は、アジアが世界経済の中心になるわけで、その中でも最大規模の中国市場をとらない限り、海外で勝ったとは言えません。「C CHANNEL」は、5月に中国の投資会社から投資を受けることを発表しました。中国で戦うためには、中国人と仲間にならないとダメだと、LINE時代を含めた中国ビジネスで学んだので、投資を受けて逆に投資会社が出資しているEコマースの会社や広告会社とも連携することなどを計画しています。

変化が激しい市場では、野球ではなく、組織を変化に耐えられる組織にするかも大事です。野球型かサッカー型かで考えると、日本の組織は野球型が多いというのが僕の考えです。野球は打順やポジションが決まっていて、意思決定にも時間的なゆとりがある。一方、アジアのITビジネスは、カウンターで一気に攻め込んだり、局地戦で戦ったりと、変化のスピードが速いサッカー型だと思います。

同じくアジアで戦うベンチャー経営者同士だと、そういった感覚を共有できることも実感しました。