見た目が悪いと、におい面でも大損

「におい」は「見た目」とも密接に関わっている。

「例えば、汗のにおいがして見回したときに、ハンカチで汗をふいているオジサンがいると、本当はその人のにおいでなくても『あ、あの人がくさいんだ』と勝手に思ってしまうことがあります。においの発生源は、嗅いだだけではわかりにくいものだからです。ですので、いい印象を与えようとしたときに、香りだけをよくしようとするよりも、同時に見た目もよくしたほうが、効果は格段に上がります」

人の見た目と香りに関するこんな実験結果も出ている。

「若い人は代謝が早く、汗もたくさんかき、皮膚に常に存在する常在菌も多いので、汗と菌がまざってとてもくさくなります。しかし、実験をすると、若い人は中年に比べてネガティブな印象を持たれにくい。これは完全に心理学的なもの。試しに目隠しをしてにおいを嗅がせると、若い人はくさいとなる。つまり、『くさい』は見た印象で決まるということなのです」

男性が特に注意したいのが、加齢臭やミドル脂臭だ。男性の体臭に対しては、加齢臭という言葉が使われがちだ。しかし、加齢臭とは、50代以降に多く出てくる2‐ノネナールという化学物質が原因のにおいだ。30代、40代のにおいは、加齢臭とは異なるミドル脂臭なのである。

(図上)一般的な汗臭、ミドル脂臭、加齢臭の三臭が重なる40代は、生涯最も体臭要素の多い年代となる。(図下)ジアセチルは、汗に含まれる乳酸が頭皮などのブドウ球菌によって代謝・分解されて発生する。また、皮脂(中鎖脂肪酸)と混ざってミドル脂臭となり、においが増悪する。(※マンダム資料を基にプレジデント編集部作成)

「ミドル脂臭は、チーズの腐ったにおいや、ビールが酸化したにおい等の成分がいくつか含まれていて、誰が嗅いでも嫌なにおいです。一方、加齢臭は枯れ草や畳のようなにおいが特徴で、それ自体は決して不快なにおいではない。2‐ノネナールを学生に嗅がせると『いいにおい』と言う子と『くさい』と言う子に分かれます。『いいにおい』と言う子は、祖父母と関係が密な子が多いです」