得意分野をチェックし、合わないときは断る

親の症状によっては、医療に詳しいケアマネについてもらったほうがいい場合もあります。ひと口にケアマネといっても、介護者の権利擁護、成年後見人制度の利用など、福祉制度全般を使ってマネジメントしていきたい方は、社会福祉士出身のケアマネが向いているでしょうし、認知症のケアを充実させたい方は、認知症ケアの経験が豊富な介護福祉士のケアマネに任せたほうが安心でしょう。

川内潤『もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法』(ポプラ社)

基礎資格は要チェックです。ビジネスでの名刺交換同様に、相手の名刺に注目してください。その人の専門が明記されています。載っていなければ直接聞いてもかまいません。得意分野を確認することで、理想のケアマネと出会える確率は高まります。

「合わない」と思ったらちゃんと断ることも大事です。「せっかく説明してもらったのに申し訳ない」と思うかもしれませんが心配ご無用。介護業界も客商売。お客さんがつくかどうかはそのケアマネの実力です。

最初に紹介された人がメールを使えなかったら、「そちらにメールが使える人はいますか?」と聞いてみます。「同じ事業所内だと気まずいのでは」と遠慮する必要もありません。大事な親の介護の重要な部分を任せる相手ですから、厳しい目線で選んだほうがいいのです。

あなたの仕事は「チームマネジメント」

とにかく、介護に関わる人たちを一つのチームだと考えるようにしてください。そう考えることで、「未知の領域」に思える介護がビジネススキルを活かせる現場に変わります。

あなたがチームリーダーなら、ケアマネはサブリーダー、現場スタッフはチームメンバーです。メンバーに指示を出し、リーダーに結果を報告するのがサブリーダー。報告を受けて、うまく回っていないところがあれば、サブリーダーに指示を出すのがリーダーです。現場をたばねるのはあくまでケアマネ。いきなり現場の仕事をリーダーがやることはありませんし、メンバーがいきなりマネジメントを行うこともないはずです。

いかにチームマネジメントし、モチベーションを上げるか。それがなによりも大切な仕事です。部下の指導と同じように、上から目線で命令を下すだけでは、現場は思ったように動いてくれません。おだてたり、ほめたり、上手に助けを求めながら、気持ちよく働いてもらうことで、結果的にいいケアの体制ができあがります。これこそが、私の提案する「任せる介護」です。

川内 潤(かわうち・じゅん)
NPO法人「となりのかいご」代表
1980年生まれ。上智大学文学部社会福祉学科卒業。老人ホーム紹介事業、外資系コンサル会社、在宅・施設介護職員を経て、2008年に市民団体「となりのかいご」設立。2014年に「となりのかいご」をNPO法人化、代表理事に就任。ミッションは「家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ虐待してしまうプロセスを断ち切る」こと。
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