「不仲夫婦」の妻が平均の2倍以上の898万貯める理由

対照的に女性は、老後や年金に対する不安を踏まえ、リスクに備えているという意見が目立ちました。

「実家から相続したお金が主人よりも断然多いです。今はそれを使わず、自分の老後のお金に心配がないように貯金をしています。残されるのは、私だから」(66歳)

「年金の支給開始年齢が上がったり、金額が減ったりして、生活が苦しくなる可能性があります。それに以前、夫が投資で失敗して全財産を失った経験もある。だから、自分の親から譲り受けた(遺産の)大部分は子供の教育費に使いましたが、残りは夫に内緒で300万円を確保してあります。いざというときのへそくりは心強いです」(61歳)

▼ポイント2 「夫婦関係のよしあし」による格差は240万円

もうひとつのポイントは「夫婦関係のよしあしによって金額が変わる」ということです。

webアンケートの結果によると、夫婦関係に満足していると回答した人(以下、円満夫婦)の平均金額は410万円でしたが、夫婦関係に満足していないと回答した人(以下、不仲夫婦)は648万円でした。

このうち「円満夫婦」の場合、平均金額は男性が308万円、女性が479万円でした。インタビュー調査では「男のへそくりはバレるもの。見つかっちゃうと使われるから貯金は任せています」(70歳)と話す男性もいました。

女性の場合、「私の場合は、へそくりがあることは夫に伝えてありますが、金額までは言っていません」(62歳)、「夫が(計画的に)貯金できないので、自分たちの老後のために自分が管理している」(74歳)との回答が目立ちました。今回の調査でのへそくりとは「自分だけのお金」のことですが、円満夫婦ではその存在を隠す必要もないようです。

一方、不仲夫婦は状況が違います。母数が少ないためあくまで参考値ですが、男性が平均をやや上回る472万円だったのに対し、女性は平均の2倍以上となる898万円でした。