――日々、目の前で起こっている混乱した状況をどうにか整理したい。シンプルにしたい。でも、そのような状況で使える既存のフレームワークは存在しないだろうか?――
こうした苦悩の中で、私は、「タテ軸とヨコ軸の2本の線で、自分でフレームワークを作る」という方法にたどり着きました(これを私は「2軸思考」と呼んでいます)。
この「2軸思考」ですが、私は、線の引き方によって、2軸を3つのパターンに分類しています。
(1)2本の線を左上で交差させる「マトリクス」タイプ
(2)中央で交差させる「4象限」タイプ
(3)左下で交差させる「グラフ」タイプ
この3つを覚えておくだけで、あらゆる業界、あらゆる職種のあらゆる問題を解決する糸口を見つけられます。
目にしたものの「構造」をすぐに理解するためにも、2軸思考は有効です。
例えば、新聞の図表を眺めるとき、プレゼン資料を見るとき、企業の決算発表を読み解くとき、頭の中を2軸思考にすれば、すべての図からタテ軸とヨコ軸が浮かび上がってきます。構造を意識し、図の「全体像」を捉えてみると、わかりやすい図のほとんどが2軸でできていることにも気づくはずです。
有名フレームワークも「2軸」で表すだけで「使える」ようになる
有名な「PDCA」や「3C」などのフレームワークも、実は2軸に作り直すことで、現場で「使える」形に変えることができます。
まず、私たちが慣れ親しんでいる「PDCA」の例で見てみましょう。
PDCAは、超有名なフレームワークで、新人教育の時代に教えられることも多いはずです。
しかし残念なことに、実際にPDCAを実践しながら仕事をしている人はそれほど多くはありません。なぜでしょう?
それは、PDCAがサークル状のフレームワークになっているからです。
PDCAが「回す」というイメージで図解されていると、「C」で何をチェックするのかが曖昧になってしまいます。そのため実際の仕事では使いにくくなってしまうのです。