「特定活動ビザ」などを利用して日本に呼び寄せる
このままいくと、中国人の大半が日本の国保に加入する日が来るかもしれない。もちろんその前に日本が世界に誇る医療制度が崩壊しているのは間違いないが。
日本の企業に就職すれば、国籍に関係なく社保に入ることが義務付けられる。大企業であれば「健康保険組合」、中小企業の場合は「全国健康保険組合」。そうすると外国に住んでいる両親や祖父母を扶養扱いにすることができるそうである。
もし親族ががんになったら「特定活動ビザ」などを利用して日本に呼び寄せ、手術や抗がん剤治療を受けさせることができる。
その上、本国に戻っても治療を継続した場合は、かかった医療費を日本の国民健康保険が一部負担してくれる「海外療養費支給制度」まであるというのだから、アメリカ人などから見たら「天国」であろう。
日本の医療費は毎年膨らみ続け、15年度には42兆円を突破した。中でも75歳以上の後期高齢者の医療費は全体の35%を占め、15兆円にもなる。「団塊世代」が後期高齢者になる25年には、全体の医療費が54兆円に達するといわれている。
保険制度に抜け道を作ってしまった日本が悪い?
そこで、医療費を抑制するため財務省は、75歳以上の高齢者で、現役並み所得者以下の人は、病院で支払う自己負担額を1割から2割に引き上げる案を、4月25日に示した。
当然、高齢者からの反発は必至である。これは、地盤沈下する財務省が、解散・総選挙をして三選をもくろむ安倍首相への嫌がらせだという見方もあるが、どちらにしても増え続ける医療費を少しでも抑えたいという思いが財務省にあるのは間違いない。
危機的状況にある医療費を、日本で暮らしているわけでもない中国人によって「タダ乗り」され、さらに拍車がかかっているとすれば、見過ごすわけにはいかないと『現代』は指摘している。
法務省によれば、17年6月時点で、日本の在留外国人の総数は247万人。そのうち中国人は71万人で、在留外国人の約30%になる。東京23区内でもっとも外国人が多いのは新宿区で、国民健康保険に加入している人は10万3782人で、そのうち外国人は2万5326人。
国保を利用している4人に1人が外国人なのである。もちろん正規に就職している外国人労働者も多くいる。中国人ジャーナリストの周来友はこう指摘している。
「利用できるものは利用するのが中国人の考え方です。中国人からすれば、保険制度に抜け道を作ってしまった日本が悪い。利用されて当然という感覚なのでしょう。日本はお人よしというか、『性善説』に立ちすぎているんです。誰もが3割負担で治療を受けられる日本の保険制度は素晴らしいものですが、外国人に悪用され、日本人自身が満足な医療を受けられなくなれば本末転倒です。これではだれのための保険制度なのかわからなくなってしまう」