業績を上げ続ける会社の社長と、会社をダメにする社長では、何が違うのでしょうか。中小企業の経営コンサルティングなどを手がける武蔵野の小山昇社長は、「つくった経営計画に縛られてはいけない。大切なのは、計画と実績の差を読み取り、次の経営計画に反映させること」といいます――。

※本稿は、小山昇『利益を最大にする最強の経営計画』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

計画を捨てられない社長は売上を最大化できない

多くの社長は、経営計画を一度つくったら、「途中で計画は変えてはいけない」「計画通りに続行するのが正しい」と考えています。この考えは、まったくの間違いです。経営計画は、時代やお客様の都合に合わせ、「どんどん、つくり変える」のが正しいのです。

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たとえば、商品Aと商品Bの販売計画を立てるとき、多くの社長は、マーケティングやリサーチの結果にもとづいて計画を立てます。

「今年は、商品Aが注目されているから、商品Aの売上目標を1億円にしよう」。一方で、「商品Bの注目度はそれほど高くはないので、目標は5000万円くらいにしておこう」という計画を立てて販売を開始したところ、実績は計画の反対。つまり、商品Aが5000万円、商品Bが1億円売り上げたとします。

この結果を受け、ダメな社長は、次のように考えます。

「商品Aが思うように売れなかったから、来年は、商品Aをしっかり売る計画を立てよう」

ですが実際は、「商品Bを売る」と計画をあらためないかぎり、売上は上がりません。

売れていない商品はどんな仕掛けをしてもダメ

販売結果は、お客様の動向が反映されたものです。お客様は商品Aではなく商品Bをほしがっています。だから販売計画は、「商品Aを成り行きにして戦力を商品Bに投入して、商品Bがさらに売れるようにする」と考えなくてはいけません。

売れていない商品は、どんな仕掛けを施しても売れません。「売れないもの」を売れるようにするより、「売れているもの」をさらに売り伸ばして、「売り損じ」をなくすほうが売上を最大化できます。

計画がマーケットとかけ離れているのであれば、固執しないことが重要です。「計画と実績の差を読み取り、次の経営計画に反映させる」ことが大切なのです。

会社の業績を上げるには、2つの方法があります。

(1)現在売れている商品にさらに力を入れて売っていく
(2)3年間、あるいは5年間続けても成績が上がらない商品や事業はやめる

成績が上がらない商品や事業を「なんとかしよう」と思ってはいけません。「計画通り」ではなく、「成績の上がるほうに力を入れる」のが、正しいやり方です。