そんな中、現在は本業を持ちながら第二のキャリアを持つ「パラレルキャリア」の概念が広がりを見せ、副業可能な企業が増えつつあります。そこで、キャリジョたちに副業意欲を聞いてみると「可能なら副業してみたい」は62.8%。地域差は若干あるものの、約6割は興味ありという結果でした。数年前にインタビューしたあるキャリジョも、「週に2~3日ずつ、違う仕事をしてみたい」という話をしてくれました。

博報堂キャリジョ研『働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方』(光文社)

彼女が薬剤師という、安定性と専門性の高い仕事に就いていることも一因かもしれませんが、「違う仕事から刺激を受けたい」という欲求がその裏側にはあるようでした。ただ、願望だけでなかなか踏み出せないのが現実。2つも会社に勤めるとなると、1社だけでも疲れるのに……とゲンナリしてしまいそうですね。

「ソシャ充」欲求を満たすパラレルキャリア

しかし現在では、CtoCビジネス(Consumer to Consumer:個人間取引)が活発化し、以前より会社勤め以外の副業のバリエーションが増えています。中でも、ここ数年伸びている、「Creema」「iiChi」「minne」といった「ハンドメイド市場」は、女性の割合が多く、キャリジョ研でも注目しています。取扱商品も多岐にわたり、アクセサリーやぬいぐるみといった手芸品から、食器や家具といった本格的なクラフト品、結婚式に使うウェディング小物やベビー用品まで。そのクオリティもお店で売っているものと変わらないものばかり! ハンドメイド市場の盛り上がりには、買い手と売り手の思惑がうまくマッチしたことが背景にあります。

買い手側に目を向けてみると、手作りへの期待感の高まりが見受けられます。長らく続いたデフレの中で、一定基準の品質のものが何でも安く手に入る時代になり、そこから兆した大量消費へのアンチテーゼとして手作り・クラフトニーズが高まっていきました。