吉永小百合は日本を代表する大女優ではあるが、名女優だといわれることはない。元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏は、そう喝破する。ではサユリストと呼ばれるファンは、なぜ彼女を追いかけ続けるのか。「由緒正しいサユリスト」を自任する元木氏が解説する――。
2017年11月5日、米国の水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の建造70年記念特別企画で、あいさつする女優の吉永小百合さん(写真=時事通信フォト)

池上彰さんとの対談で語ったこと

吉永小百合は悲劇の女優である。

彼女の120本目の出演作品になる『北の桜守』(滝田洋二郎監督)を見ながら、何度も流れる涙をぬぐった。