失言・誤解を招く、ありがち直訳英語6フレーズ
▼会議、ミーティングで相手を怒らせる
1.「あなたはどう思いますか?」
NG:How do you think?(自分で考えればわかるでしょう?)
OK:What do you think?
NG:How do you think?(自分で考えればわかるでしょう?)
OK:What do you think?
【解説】Whatではなく「How」を用いることで「どう考えているの?→そんなこと自分で考えればわかるでしょう?」という嫌みなニュアンスに。
2.「ご意見ありがとうございます」
NG:Thank you for criticizing my proposal.(私の提案を批判してくれてありがとう。)
OK:Thank you for evaluating my proposal.
NG:Thank you for criticizing my proposal.(私の提案を批判してくれてありがとう。)
OK:Thank you for evaluating my proposal.
【解説】プレゼンの場で、質問などを終えた後の締めくくりの一言。「批判してくれてありがとう」という皮肉な意味に。日本語の「批評」は肯定的・否定的、両方の意味がありますが、英語のcriticizeにプラスのイメージはない。
▼取引先への不信感、イライラを表現
3.「3時に待ち合わせでお願いできますか?」(アメリカ人に対して)
NG:Could you please arrive at 3 pm?(3時の待ち合わせには遅れないでくださいね?)
OK:Could you arrive at 3 pm?
NG:Could you please arrive at 3 pm?(3時の待ち合わせには遅れないでくださいね?)
OK:Could you arrive at 3 pm?
【解説】「please」を付けて丁寧な意味合いを持たせたつもりが、アメリカ人からは「いつも遅刻してるけど、今回は絶対に遅れないように」という念押しの意味にとられてしまう。
4.「16時にお待ちしています」
NG:I expect you to come at 4 pm.(16時に来るんだよ、わかった?)
OK:I'll be expecting you at 4 pm.
NG:I expect you to come at 4 pm.(16時に来るんだよ、わかった?)
OK:I'll be expecting you at 4 pm.
【解説】I expect you to……はイライラして「(きみに)……してもらいたいんだ」と要求するようなときに使う表現。I expect you to just do your job without complaining.なら「文句を言わないで仕事だけやってほしい」という意味に。
▼電話口の相手を不審者扱い
5.「どちらさまですか?」
NG:Who are you?(お前は誰だ!)
OK:May I ask who's calling?
NG:Who are you?(お前は誰だ!)
OK:May I ask who's calling?
【解説】中学で習う例文ですが、「自宅に侵入した不審者に対して」言うイメージ。電話口でいきなり言ったら、大変なことになる失礼発言。
▼過去を表す動名詞「~ing」と未来を表すto+動詞の原型の誤用
6.「荷物を送り忘れてた!」
NG:I forgot sending the package.(荷物を送ったことを忘れていました。)
OK:I forgot to send the package.
NG:I forgot sending the package.(荷物を送ったことを忘れていました。)
OK:I forgot to send the package.
【解説】「sending the package」と「to send the package」のどちらも「荷物を送ること」ですが、ing形の動名詞だと過去を意味するため、ここでは未来的な意味を表す「to send」を用いるのが正解。
David A.Thayne(デイビッド・セイン)
「AtoZ英語学校」代表
アメリカ出身。日本での30年にわたる英語指導の実績を活かし、英語学習書、教材等の制作を手掛ける。累計400万部を超える著書を刊行、『英語サンドイッチメソッド』などベストセラー著書多数。
「AtoZ英語学校」代表
アメリカ出身。日本での30年にわたる英語指導の実績を活かし、英語学習書、教材等の制作を手掛ける。累計400万部を超える著書を刊行、『英語サンドイッチメソッド』などベストセラー著書多数。
(構成=野澤正毅 撮影=石橋素幸 写真=iStock.com)