不倫には重大リスクが伴う。だが、それでも既婚者との交際を進める人がいる。そのとき泥沼に引きずり込まれてしまうような「最悪の相手」とはどんな人間か。これまで数千件の相談を受けてきたという男女問題研究家の露木幸彦氏が、「不倫上手な男性」と「不倫下手な男性」の違いを解説する――。(前編、1~10)

不倫上手な男性が「自ら女性に交際を迫らない」理由

行政書士で男女問題研究家の私はこれまで数千件の不倫や離婚など男女のトラブルの相談を受けてきました。その経験から、相談者と話しているとくっきりと見えてくるものがあります。そのひとつが「不倫上手」か「不倫下手」か、ということです。その行為の是非は別にして、大きなトラブルを抱えることなく男女の交際をできる人を私は不倫上手な人ではないかと考えています。

※写真はイメージです。(写真=iStock.com/kieferpix)

不倫は堂々と胸を張れる行為ではありません。よって、不倫上手だからといって、ほめるわけにはいきません。ただ、不貞行為が発覚したら一大事となることを百も承知で交際するのですから、それを無理やり止めることもできません。いい大人ですし、違法行為ではないからです。であれば、当事者としては、どうせ不倫するなら楽しい時間をすごせる相手のほうがいいはずです。

今回は、男性における「不倫上手」と「不倫下手」の違いについて、私の知見に基づいて比較していきます。

▼「不倫という形でもいい女性」を選択する男

まず「不倫上手」の男性です。このタイプの多くは、仕事、家庭、不倫のバランスをとって成立させる“恋愛偏差値”の高い人という印象があります。そして、十中八九、仕事がデキる人です。会話をしていると、頭の回転の速さとクレバーさが伝わってきます。聞き役もこなせますし、言うべきことは簡潔に述べることができます。もちろん、女性を笑わせることもでき、ほめ上手です。ルックスや体形は必ずしもいいとは限りませんが、それを補って余りある包容力たっぷりな人間的な魅力を備えています。

常に気持ちのゆとりのようなものがあり、時間の管理が極めて上手です。仕事をやりくりしてデートの時間を捻出するのが得意なので、複数の女性を同時に愛することができ、仕事で忙しい場合でもメールやメッセージをマメに返信します。

仕事で成功をおさめていることが多いので、当然、肩書や地位も高く高給取り。そんなアドバンテージに自然と多くの女性が引き寄せられるのでしょう。そのため、「(相手に妻がいる)不倫という形でもいい」と考える女性を選択すればいい。自分から強引に交際を迫ることはしません。妻子の存在も隠す必要はなく、「私と奥さん、どっちが大事なの?」「奥さんと離婚して私と一緒になって!」などと言い出す女性は遠慮したり、切り捨てたりします。なぜなら、「出会い」が多いので1人に執着する必要はないからです。

また「類は友を呼ぶ」ということでしょうか。周囲の人間は不倫経験が豊富な人が多く、アリバイ工作や隠蔽工作を「お互いさま」で手伝ってくれるようです。ズルいのですが、リスクマネジメント力は高いといえるでしょう。

不倫は恋愛の一種と割り切って、ちゅうちょせず女の子を誘う“軽薄者”の側面がありますが、知能犯であり、生まれもって女性扱いの勘所を押さえているからか、最終的にお別れをしても大きなトラブルにもなりにくいのです。