アプリの活用でブレークスルーを起こす

自動車販売のビジネスは、クルマを売って終わるわけではい。買い替え時も自社を利用してもらうため、主に6カ月ごとの点検や車検を通して顧客との関係を築いていく必要がある。

だが、「お客様への質の高い応対やより良い提案を行うための準備など、もっとお客様のために時間を割きたいと考えているものの、限られた時間の中でそういった時間に充てることができていないのが現実。これまでの取り組みの延長線だけでは、難しい」(架谷社長)。

こうした課題を解決するため、2018年4月にスマートフォンアプリ「石川トヨタオーナーズアプリ(以下、アプリ)」の提供を開始する。

顧客と一対一の関係を築く上でもアプリは非常に重要になる。

アプリの企画サポートを行う博報堂マーケティングシステムコンサルティング局の露木章史氏は、「顧客満足度向上、営業力強化、業務効率化を一気にブレークスルーする新サービス(仕組み・仕掛け)と位置付けて要件定義した」と話す。

顧客と一対一の関係を築く上でもアプリは非常に重要となる。アプリには、顧客自身で入庫予約を取れる機能や顧客と石川トヨタの営業担当者がチャット形式でコミュニケーションを取れる機能を搭載する。また、クルマにトラブルが生じたときに顧客が石川トヨタへ緊急連絡できる機能や、石川県や地域の情報を集め、整理して提供するキュレーション機能、またトヨタの基幹システムを連携させ、顧客データを取り込んで表示する仕組みも構築する。

新車を契約した顧客に対しては、人気のある車種は納車までに日数がかかるが、トヨタの工場から出荷した時点でアプリを通じてそのことを顧客に伝えられれば顧客の不満を解消できるだけでなく、顧客満足度を高めることにもつながる。

石川トヨタのWebサイトと石川トヨタオーナーズアプリはマーケティングサービス会社ソルフレアのクラウドサービス「RUNWAY」を利用して構築している。1つのプラットフォーム上で作られているため、Webサイトとアプリを連携させることができるだけではなく、1つの管理画面で一元管理することも可能だという。

「アプリというサービスを通してお客様へ新しいサービス価値を提供すると同時に、営業担当者の負荷軽減を実現し、お客様の期待、ひいては社員の期待も超えていくことにつながると確信しています」(架谷社長)。