分数を整数に置き換えるという画期的発想
ここで、分数ものさしの仕組みを説明しておこう。
賢一朗君は12という数字に着目した。12は2でも3でも割り切れる、約数の多い数だ。だから12等分の目盛りをつけておけば、12分の1はもちろん、2分の1、3分の1、4分の1、6分の1も表すことができる。
分母が2、3、4、6の分数はどれも分母が12の分数に置き換えて考えることができるから、たし算やひき算の計算はすぐにできる。このアイデアは素数ものさしを見てすぐに浮かんだという。
賢一朗君は、5年生の夏をまるまる使い、分数ものさしを形にまとめた。夏休みの自由研究の作品として提出すると、浜松市の小中学生発明くふう展で優秀賞に輝いた。