プーチン大統領もヘレン・ケラーも秋田犬が大好き
まず、秋田犬について深く知るために訪れたのは、秋田犬会館。周囲にうずたかく雪が積もる中、会館の入り口脇に1匹の秋田犬が、そして受付にも1匹の秋田犬がいて、出迎えてくれました。猫はここまでホスピタリティ旺盛ではありません……。
受付で出迎えてくれた秋田犬。自分の役割を全うしようという使命感が。この秋田犬会館の展示で知った秋田犬の知識は……。
(1)縄文犬の血を引いていると言われ、人間に忠実な性格のため狩猟のお供をしていた。
(2)明治時代と大正時代の頃は、洋犬とかけあわせて攻撃的な闘犬になっていた時期もありましたが、今では本来の秋田犬の姿に戻りつつあるそうで、現在では国の天然記念物として保護されています。
▼ハリウッド映画にもなった渋谷駅のハチ公も秋田犬
(3)2012年に東日本大震災への支援のお礼としてロシアのプーチン大統領に秋田犬が寄贈されたのは有名ですが、もっと以前にアメリカの社会福祉活動家ヘレン・ケラーも秋田犬を大変気に入って、もらい受けたという歴史がありました。
(4)ハリウッド映画にもなった渋谷駅のハチ公の物語は有名ですが、他にも忠犬の伝説がありました。それは江戸時代、シロという秋田犬のエピソード。マタギの許可証を忘れて猟をしていたら、不審者として捕らえられた主人の定六。シロは家に走って奥さんに鳴いて訴えて許可証を取ってこようとしたのですが、奥さんがなかなか気付かず、結局間に合わなくて主人は処刑されてしまいます。ハチ公以上に切ない伝説です。ほどなくしてシロも亡くなり、哀しみと悔しさで不成仏霊として祟りを発動したシロの魂を慰めるため、山に「老犬神社」が建てられました。犬を祀っている神社は珍しいそうです。
――と、展示物などを見ながら知識を深めていたところ、前出の美人社員さんがおっしゃいました「今日、このあとその神社に行きますよ」。えっ、そんないわく付きのスポットに……。江戸時代の話なので、鎮魂されていることを祈ります。