平昌オリンピックが閉幕し、同パラリンピックが続く。韓国と北朝鮮は女子アイスホッケーについて「メダル圏内にいない」などとし、選手の意向と関係なく合同チームを結成した。北朝鮮は金正恩氏の妹・金与正氏を韓国に送り込み、「国賓化」にも成功している。文筆家・古谷経衡氏は「平昌五輪は国際社会にとって笑えない展開になった」と分析する――。

女子アイスホッケー南北合同チームを激励する金与正氏(上段一番右)と文在寅氏(上段一番左)。(時事通信フォト=写真)

「実に馬鹿らしい」政治の祭典となった五輪

驚くほどこの五輪は国内的にも国外的にも「政治五輪」になってしまった。「平和の祭典」ならぬ「政治の祭典」とはまさにこのことだ。国内的には、平昌五輪開会式への安倍晋三総理訪韓がまず第一の政治論争になった。韓国が文在寅政権に交代し、事実上慰安婦合意を骨抜きにしたことで、日本国内の左右が総理の訪韓を巡って対立した。