コンテンツの入り口は「あなたへのおすすめ」
タダ・ネイティブたちはインターネットでどのようにコンテンツを選んでいるのでしょうか。家庭訪問した子どもたちに特徴的だったのは、レコメンド機能を大いに活用していることです。
たとえば、小学5年生の女の子に「よく見る動画を教えてほしい」とお願いしたところ、タイトルなどを検索するのではなく、「あなたへのおすすめ」から該当の動画を探していました。小学6年生の男の子も、「今見ている動画の関連動画に飛んで、そのまた関連動画に飛んで……」と渡り歩いているうちに、何時間もユーチューブを見続けてしまうといいます。
また、友達からのレコメンドも大きな役割を果たしています。ネット上に多くの無料コンテンツが存在することで、友達との「教え合い」は、マンガや雑誌の「貸し借り」に比べて非常にやりやすくなりました。
ある中学2年生の女の子は、部活の友達と「趣味を分かち合う」という名前のLINEグループを作り、お気に入りの動画や画像、ウェブサイトなどを教え合っているそうです。このグループには色々な趣味をもつ子がおり、それぞれが「(アニメなどの)二次元担当」「(アイドルなどの)三次元担当」として写真や動画をシェアしています。かつては排斥の対象になりがちだった「オタク」も今や市民権を得ており、むしろその分野に詳しい人として一目置かれているのです。
インターネットでは大量の情報に無料で接することができます。子どもたちは大人にくらべて前提となる情報が少ないため、「あなたへのおすすめ」などのレコメンド機能を使ったり、友達に「こんな面白いものがあるよ」と教えてもらったりするほうが、お気に入りのコンテンツを簡単に見つけることができるのでしょう。