北朝鮮の狙いを見抜いて慎重に行動せよ

朝日社説は北朝鮮の狙いを見抜いて慎重に行動するよう、こう韓国に呼びかける。

「これまで対話を呼びかけてきた文政権にすれば、協議再開はそれだけで待望の進展と映るだろう。だが、過大な評価に走って浮足立つのは禁物だ」
「喫緊の課題は軍事的な衝突の回避であり、長期的には朝鮮半島の非核化である。日米中ロの周辺国からの支えなしには、安定的な解決はありえない」
「韓国政府はそれを忘れず、とりわけ日米との情報交換を密にして対話に臨む必要がある」

この沙鴎一歩も朝日社説と全く同じ思いである。いまの韓国にとって重要なのは思慮深さだ。北の甘い言葉にだまされてはならない。

朝日社説は「金正恩氏は新年の辞で、地域の緊張を緩和して平和的な環境を整えるべきだと述べた」と指摘し、こう訴える。

「その通りだ。だが、国際社会の声を無視して挑発を続けたのは北朝鮮にほかならない。危機を和らげる意図が真剣ならば、少なくとも大陸間弾道ミサイル発射の動きを止めるべきだ」

国際世論の反対を無視してICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を続け、揚げ句の果てにはその実戦配備を宣言する。ならず者国家と非難されても仕方がない。韓国にはその北朝鮮の実態をよく考えてほしい。

「一触即発」の危機は続いている

最後に朝日社説はこう指摘して筆を置いている。

「日米は、韓国への後押しを惜しんではならない。たとえ表向きであれ、北朝鮮が軟化姿勢に転じた動きを逃さず、やがては日米との対話にも広げさせる結束と工夫が求められている」

これもその通りである。今回の北朝鮮の軟化姿勢を巧みに捉え、北朝鮮を国際社会にうまく引っ張り出す。

韓国にとってもそうだが、北朝鮮と米国が戦闘状態に入れば、日本も大きな打撃を受けることは間違いない。日本は最大限の外交努力を惜しんではならない。

「ロケットマン」などと米大統領のトランプ氏は金正恩氏をからかっているが、北朝鮮側は本気で米国への攻撃を考えている。からかいの言葉が火だねとなる一触即発の危機が続いていることを忘れてはならない。