情報格差に苦しむ時短社員の反撃

さらに身近なところでも、組織ぐるみの“指導”は行われている。ゲーム制作会社で働く大波圭佑さん(仮名・34歳)の会社では、ここ数年は産休・育休明けの時短勤務の社員が増加しているという。大波さんの隣のチームにも4月から時短勤務の女性が復帰した。

「最初はチームメンバーもサポートしようと言っていたんです。子どもの発熱で急に休んだときも、代わりに商談に行くなど対応していました。でもあるとき彼女が、『子どもが風邪で』と言って休んだのに、友達と映画を見に行っていたと噂になったことがあった。ほんとうに風邪で休んでいたのにです」

そのあたりから隣のチームの雰囲気が変わったという。

「うちの会社では、昨年から社内専用の簡易チャットサービスを導入しました。隣のチームは時短勤務の彼女が16時に帰ったあとの連絡用にと、彼女以外のメンバーでグループをつくっていました。ところが次第に彼女の悪口を言うグループになっていった。わざと業務で必要な情報を共有せずにミスを誘引しようといった会話がされていた」

ところが、事態は急変する。裏グループの1人が、誤って表のグループに悪口を書きこんだのだ。それを見た時短勤務の女性はあ然。すぐに人事部に報告したそうです。

その後、逆に会社にいづらくなった裏グループのメンバーは順に会社を辞めていったという。

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