リスクは海外企業との訴訟沙汰
契約上の品質をクリアできていない、という点でリスクは残るが、自動車メーカーなどが設定した安全性の基準をクリアしていれば、リコールのリスクはそれほど高くない。
一方で海外企業との訴訟に発展するリスクはあり、どれだけの規模になるかは未知数だが、過去の類似事例と比較しても重大事故に結びついておらず、事業継続に影響があるほどのコストは想定しにくく、株価は下がりすぎた印象が強い。
市場は不正による影響を問題発覚当初から織り込んでおり、現在は重く見すぎた影響を見直す最中だ。今回の問題を、鉄鋼業界の再編などに結びつけるのは尚早だろう。
とはいえ、本格的な株価上昇に向けては再発防止策やガバナンス体制の見直しなど抜本的な対策が必要だ。
(構成=吉田洋平)