「特別視する感情」を上司に働きかける

人間の持つ「特別視する感情」に訴えかけることも有効です。上司の「うちの部下はよその部下よりもかわいい」という心理に働きかけるのです。登場人物を個性豊かに描くことで、読者の共感を獲得しようとすることは、少年マンガに限らない物語づくりの王道です。心理学では、互いのことをよく知れば知るほど、敵に対して一致団結しやすい、という実験結果もあります。職務や成果に関係しないと思われる個性をも知り合うことで、共感が生まれやすくなるという癖が人間にはあります。

この癖を利用して、自分のことだけでなく、「同僚の○○さんに助けられた」など、同僚たちの個性をアピールすることで、上司の部員全体への愛情が強まり、結果としてあなたの評価も高まる可能性があります。

逆に、自己評価を書くうえで避けたいのが、「反省・謙虚・控えめ」です。目標未達の場合、反省点をシートに書くと、上司には仕事のできない人に見えてしまいます。また、謙遜して控えめな自己評価をすると、実際よりも能力が低い印象を上司に与えますし、過去数年分の人事考課シートをもとに昇格審査を行うときにも不利に働きます。これらはつまり、マイナスのアンカリングが起きてしまうためです。

これらのポイントに応えられるような内容を書き、実践することができれば、上司から喜ばれ、経営層や人事からの評価も高まるはずです。

平康慶浩(ひらやす・よしひろ)
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年、大阪府生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所等をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで150社以上の人事評価制度改革に携わる。大阪市特別参与(人事)。
 
(構成=増田忠英 写真=PIXTA)
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