仕事でいっぱいのはずなのに……
これまで、さまざまなクリエーターの方とお目にかかってきた。振り返ると、いくつかの共通点があるように思う。
強く印象に残ることの1つは、よい仕事をされているクリエーターの方ほど、その人のまわりに、ゆったりとした、自由な空気が漂っているということだ。そう、まるで、夏休みの小学生のように。しかも、宿題や習い事に追われていない、自由でのんびりした小学生である。最近では「絶滅危惧種」のようだが。
歌手、作詞家、作家、マンガ家、美術家。さまざまな分野でクリエーティブな方々が、「ゆるい」空気で佇み、人に向き合い、談笑されるのを見てきた。考えてみれば、これは、凄いことだと思う。
例えば、松任谷由実さん。お目にかかってお話しするたびに、心の底からゆったりとされているなあ、と思う。あるいは、秋元康さん。部屋にさーっと入ってこられて、ニコニコと笑っている。
本当は、忙しいのに決まっているのである。スケジュールに追われたり、決めなくてはいけないこともたくさんあったり、頭の中は仕事でいっぱいのはずなのである。