英語を話すなら英語で考える習慣を身につけよ

【三宅】新条さんの著書『30日で英語が話せるマルチリンガルメソッド』を拝見しても、無駄なことはしないと書いてありますよね。やはり、英語の学び方はこれがいいし、他言語も同じように学べるということでしょうか。

三宅義和・イーオン社長

【新条】英語の場合は、日本では学校で習いますからゼロベースではないので、英会話を学び直すのに、それを応用すればいい。ところが、タイなど出張するビジネスマンにレッスンをすることがありますが、2、3回のレッスンで、必要最低限は話せるようになるんです。

まず、自分にとって必要な単語を絞り込みます。そして、それをどんどん使うことです。本にも書いているんですけど「1000文チャレンジ」といって、名詞10個、動詞10個、形容詞10個。それを掛け算すると、理論的には1000文できます。これで日常会話は大丈夫です。

これは、英語を話すのであれば、英語で考えたほうが速いという発想なんです。単語を覚えるよりも、限定された単語を使ってどんどんセンテンスをつくっていく。そのほうがはやく話せるようになります。

【三宅】なるほど、今の話を聞いて、やはり使うことを前提として学ぶ、その必要最小限の勉強をするということですね。それはどんな言語にも当てはまりそうです。

最近、「Englishes」という概念が注目されています。世界に存在する英語は1種類ではない、ということです。かつてはネイティブのようにしゃべるのが良いとされていましたが、どんな英語を使っても、コミュニケーションができればいい、ということだと思います。

【新条】アジアで一番使われているのは「アジア英語」ですね。グローバルに活躍する人が増えたとはいえ、アジア人が話す英語はおそらくアジア英語です。これが日本人にとってグッドニュースなのは、アジア人は同じ間違いをしやすい、ということです。

【三宅】そうなのですか。

【新条】中国語もタイ語も前置詞がありません。複数形もない。だから、みんなが同じように間違います。アジア人にとって、日本人の片言英語は、ちょうどいい形で彼らに通じるわけです(笑)。