ワイドショーで出す「女優S」は誰なのか
情報の流し方にもいろいろな手段がありますよね。僕の場合は、テレビやラジオで話すか、あるいはSNSで発信するか。本当は、情報はすべてタイムリーに出したいんです。ただ、僕の場合は既存メディアで仕事をしている人間なので、なるべく自分が持っている情報は番組内で話すようにしています。とはいえ、番組出演まで黙っていると追いつかれる可能性のあるものは、SNSを使って早めに情報を出します。
表現の仕方も、工夫が必要。私はたまにテレビで「女優Sが結婚間近」などイニシャルで話をすることがありますが、イニシャルの使い方には配慮しています。なぜなら、イニシャルによっては特定しやすい名前もあるから。「S」なら「さしすせそ」すべてがあてはまり、佐々木とも清水とも推測できる。しかし「A」は「あ」しかないから限られてしまう。そういう場合は苗字にしたり、下の名前にすることもあります。それから、人によって、芸名ではなく本名をイニシャルでいったりします。
では、流すための正確な情報はどのようにして入手することができるのか。まずは、口の堅い人間になることです。口が堅い人間だと思われると、自ずと情報がたくさん入ってくるようになるからです。
芸能リポーターにスクープが集まる理由
噂話や情報を知ると、人間の性(さが)としてどうしても人に話したくなってしまうもの。でも、むやみに話すと自分が損をする。同僚や後輩など仲間内では「情報屋」として重宝がられるかもしれないけれど、上司からは「信頼できないやつ」という烙印を押されてしまいます。
実は私自身も、口の堅い人間だと周囲の方々から信頼していただいているおかげで、芸能リポーターとして仕事を続けられています。芸能リポーターは口が軽いと思われがちですが、実は、口が堅くないと成立しない仕事。過去には、タレント本人から結婚や離婚の話を直接聞き、いち早く情報を得ることもありました。
そのようなときには、勝手にどこかで情報を流したりせず、必ず当人か事務所に「テレビで話したいんだけど」と仁義を切ります。すると、相手も「まずは直接話すべき相手がいるから、いいタイミングがくるまで待ってほしい」と、条件付きで情報解禁の許可を出してくれる。この取引が、信頼を得るためには重要なんです。それを守ることによって「井上は約束を守る。口が堅い」と信じてもらえて、自然と人が自分に打ち明け話や相談をしてくれるようになり、情報が集まってくるんです。